物忘れの流行る街

以前私がマスターをしたシナリオについて書きます。

システム:ソードワールド2.0
GM:わたし
PC紹介
カルート:商人生まれのサカロス神官。陽気な人物。
ゼキール:見分を広めようと旅をするルーンフォーク。好奇心が強い。
リフール:好奇心が旺盛なタビット。以前の冒険で片耳を失った。
デネブ :食いしん坊の大男。好物はパン。
ヴェーラ:謎めいた雰囲気のシャドウ。約束を守ることにこだわる。
以前私がマスターをしたシナリオについて書きます。

システム:ソードワールド2.0
GM:わたし
PC紹介
カルート:商人生まれのサカロス神官。陽気な人物。
ゼキール:見分を広めようと旅をするルーンフォーク。好奇心が強い。
リフール:好奇心が旺盛なタビット。以前の冒険で片耳を失った。
デネブ :食いしん坊の大男。好物はパン。
ヴェーラ:謎めいた雰囲気のシャドウ。約束を守ることにこだわる。

シナリオ
 長期依頼を終えて拠点とする街へと帰ってきたPCたち。街に入るといつもよりも活気がないことに気が付く。人通りは変わらないようだが、皆一様に思案顔である。と同時に嗅ぎなれない、香ばしく美味しそうなにおいに気が付く。周りに目をやると、街の人たちは薄緑色のパンを手にしている。どうやら美味しそうなにおいはこのパンが元らしい。デネブはそのにおいを手掛かりにパン屋を探しに行く。またリフールはかすかに魔法の痕跡のようなものを感じた。残ったPCたちは以来の報告のために酒場へ向かう。

 酒場についたPCたちは、以来達成祝いに店主から昼飯にパンとスープをもらう。スープは何の変哲もないものだが、パンは街で見かけた薄緑色のものだ。“梢の竈”というパン屋で作られたもので、最近すごく美味しいと評判らしい。実際に食べてみると、とてもおいしく、また食べたいという思いに駆られる。だがどうやらこのパンの味は、普通の小麦粉などでは出せないと分かった。
 PCたちが食べ終わったころに店主が依頼を切り出す。おかしな話だが最近町中で物忘れが流行っているらしい。常に何か忘れている気がするために、皆元気が出ないそうだ。この現象の実態を調べてほしいとのことだ。PCたちは依頼を引き受けることにする。

 一方デネブはにおいを元に“梢の竈”までやってくる。小規模なパン屋だが店の前には長蛇の列ができている。また、店の煙突からは緑色の煙が出ている。パンを買おうとデネブが列に並んでいると、店内から大声が聞こえる。
「金が足りねえだぁ?なら売れねえなぁ。さっさと帰んな!」
「でもこの前はもっと安く売っていたじゃない!」
「値上がりしたんだよ、値上がり。このパンが欲しい奴はたんといるからな!」
どうやら店主と少女が言い争っているらしい。取り敢えず少女の分のパンも買ってやりその場を収めるデネブ。値段は相場の三倍ほどであった。
 少女によると、このパン屋は元々あまり繁盛しておらず、店主も心優しい人物であったが、数週間前にパン作りの修業に出て戻って以来、パンの味は格段に良くなったが、粗暴な性格になり金にがめつくもなったそうだ。
 デネブはパーティと合流するために酒場へ向かう。

 酒場では早速調査を始めていた。街の中から魔法的なものを感じたというリフールの発言と流行っているパンから、食べ物が怪しいのではないかと調べるも、反応はない。水を調べてみても反応がない。試しに空気を集めて調べてみるとかすかに魔法の反応が出た。これはちょっとまずいんじゃないのと思い始めるPCたちの元へデネブが合流する。デネブの話からパン屋が怪しくなり調べることとなった。

 パン屋の店主に何か怪しいものを混ぜ込んでるのではないか、材料を見せてくれと迫るPCたち。だが店主は、材料は企業秘密だ、そもそもパンがおいしいのだからそんなことどうでもいいだろうと追い返されてしまう。
 こうして店主の気を引いているうちに、ゼキールが店の屋根に上り緑色の煙を採取してきた。調べてみると強い魔法の反応が出た。やはりこのパン屋に何かあると思うPCたちは、パン屋に張り込んで監視することにする。パン屋は緑色の粉をパンの生地に混ぜ込んでいるようだが、パン屋に小麦などを卸す粉屋では扱っていないもののようだ。

 その夜、午前零時ごろ、張り込んでいたヴェーラはパン屋の窓から強い緑色の光が漏れ出すのを目撃する。覗き込むと棚に置いてある緑色の球体からその光は出ているようだ。そしてその球体の表面から緑色の粉が出ている。
 翌朝、街に流行する物忘れはPCたちにも及んだ。落ち着かない様子のカルート。
「どうして自分ここにいるんだったけ?いつこの街に帰ってきたんだ?」
「何言ってるんだカルート。さっさとパン屋調べに行くぞ。」
「パン屋?何それ?」
どうやらカルートはこの街に来てからのことをすっかり忘れてしまったらしい。

パン屋にあった緑色の球体の正体を知ろうと、店主の目をかいくぐり侵入するPCたち。
緑色の球体を見つけ手を伸ばそうとすると、店主が現れ阻もうとするもあっけなく気絶させられる。すると球体から声が聞こえる。
「せっかく俺が力を貸してやったのに馬鹿な男だ。」
構わずに球体を割ろうとすると、球体からモンスターが飛び出し、球体は転移してしまう。
その後も聞こえる声によると、この球体には魔物が封じられている、彼はたまたま球体を拾った店主を利用し力を蓄えた。物忘れが流行ったのは彼が人の記憶を集めて力としたためであり、その対価に店主に緑の粉を与えた、ということだ。
 難なくモンスターたちを撃破したPCたちは、魔物の反応を追い、町の近くの洞窟へ向かう。ここで復活しかけた魔物を倒し、緑色の球体を破壊した。

 PCたちは事件の解決を酒場に報告しに行く。また、パン屋の店主は今回のことは半ば魔物に操られてのことであることがわかった。ひどく反省したパン屋は自分の力で緑色のパンを超えるパンを作ろうと決心し修業へ出た。終わり。


感想
 初めてのGMでとても緊張しました。パンと物忘れをどう結び付けるか迷った挙句、パン屋から緑の煙が出るといった、あからさまに怪しいことをしたのはちょっとやりすぎでした。最初から怪しいところが黒幕ではなく、思わぬところに真相が潜んでいるようなシナリオを作れたらと思います。
セッションレポート | comments (0)

Comments

Comment Form