萬家の悲しき茶道

システム:神我狩  GM : tosiash


 舞台は「日本海の小京都」T市。その異名通り、雅な佇まいで知られる閑静な街である。そんなT市で、人々の霊魂が何者かによって奪われる事件が…。

PC1:忍原翔   PL:123
  忍者の高校生。茶道部の幼馴染に好意を抱いている。忍者であることに誇りを持つ。
PC2:深谷四季  PL:怪竜
  異界から訪れた一族の末裔。退魔師協会のT市支部に所属する。人付き合いが苦手、特に男性。
PC3:松永紅葉  PL:白額虎
  松永久秀の子孫。古物収集家を営む。美しい茶器を破壊するのが密かな趣味。
PC4:桜弾児   PL:K
  怪異専門の傭兵。特対の仕事を多く受ける。サッカーのカミガカリーグでは特対チームのFW。
先日ハットトリックを決め数年ぶりの有給休暇を貰った桜は、T市を訪れる。駅から降りると霊威を感じる。その方向に駆け付けたところ、霊肉とサクラソウ模様の茶碗が落ちていた。特対本部室と連絡を取ると、前日T市で同様の事件が発生していたということで調査するよう言われる。

事務所にいた松永には、蹴鞠当主から電話がかかってくる。先日亡くなった友人の茶人・瀧名浩満の遺品が紛失したため、それを探してほしいという依頼であった。その遺品とは、サクラソウの模様が刻まれた『群撫子』という茶碗だという。

深谷は、協会支部長から呼び出される。T市の茶人・薄田芳葵が、依頼を持ち込んできたのだ。親類を自称する女性が来てから、家元の萬倖勒の様子がおかしいので調べてほしいというものだ。最初は薄田の自己紹介を告白と勘違いしてドキドキしていた深谷だったが、話を聞き調査に乗り出すことに。

一方、忍原は幼馴染・森野かもめと一緒に茶道具を買う約束をしており、店の前で待っているが中々来ない。遅刻した彼女によれば、路地で謎の男に捕まり、茶を飲まされていたそうだ。そして、お茶の産地だとかを聞かれ、正解したら去って行ったらしい。その茶碗には、サクラソウの模様が刻まれていた。



地元の茶道の家元を疑る桜は、深夜にそのまま萬家に押し入ろうとするが、駆けつけた深谷・松永に押しとどめられる。そんな三人を、屋敷の中から悪意ある視線が睨みつけていた。
とりあえず三人は、腕の立つ神我狩として、忍原と連絡を取ろうとしたものの繋がらない。忍原は翌日の森野との約束に備え、携帯をマナーモードにしていたのだ。

忍原たちは茶道具を買って帰ろうとしたところで、二人の周囲を化物の群れが囲んでいることに気付く。忍原は襲撃を受けるものの、ほかの三人と合流して化物を殲滅する。
ふと見ると、森野の首筋には印が浮かび上がっていた。狙われる恐れのある森野は匿われることになり、四人は協力して事件の調査を行うことにする。

深谷は噂を調べていると、あるスレッドで、森野と同様に茶を飲まされ正解して解放されたという人物の書き込みを発見する。しかし、途中で化物の襲撃を受けたらしく話は中断している。さらに、その書き込みは検閲によってすぐに消されてしまった。

怪しい男の消息を追っていた桜は、ローブを着た男が一般人に詰め寄っているところに出くわす。その手には茶が点てられていた。
事情を聞くと、ローブの男は自分の点てた茶を飲ませ、それを理解しない者の霊魂を奪っているのだという。実は男は茶碗『群撫子』の付喪神であり、死した主・瀧名の茶を広めようと、毎日人々に茶を飲ませていたのだ。強い思いに駆られる『群撫子』は茶を飲むよう迫り続け、遂には桜が弾を撃ち込み戦闘に突入する。

潜入を試みようとした忍原・弟子入りしようとした松永も合流し、『群撫子』を攻め立てる。敵を打ち倒そうかという時、三人は背後から屋敷で感じた強烈な視線を感じる。その隙を縫い『群撫子』は逃走する。

一行は急いで萬家に向かう。到着すると、正気に戻った萬家当主・倖勒が四人を迎える。彼の話では、茶碗の持ち主・瀧名はかつて野点で名を馳せた。そのため、野点をよく行った松林にいる、と推測される。

件の場所に赴くと確かに法則障害:異界遊戯が張られていて、四人はそれを突破し奥に進む。そこに居たのは、先程の付喪神、そして黒幕と思しき女性だった。その女性・ベッドフォードは、小さな魔物に姿を変え自らの計画を語りだす。
彼女は、主人の茶を広めたいという『群撫子』の思いを利用し、契約を結んで霊力を集めていた。茶を飲ませた後の問答に正解し見逃された人物も、彼女が魔物を放って霊力を回収していたのだ。さらに、その主人・瀧名を殺したのもこの魔物の仕業だったそうだ。
御託を並べ終えたベッドフォードは『群撫子』に憑衣して向かって来たものの、一同は鎧袖一触でこれを打ち倒した。



こうして、平和な日常が戻ってきた。
忍原は森野と一緒に茶を楽しむ。
深谷は薄田と親睦を深める。
松永は茶器を割っている。
桜は休暇の補填に安堵する。
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