コミケシナリオ

システム:ブレイド・オブ・アルカナ リインカーネイション GM:M
1月7日に行われた阪大交流のブレカナ卓のレポートです。
GMは阪大のM氏。

PC1 ジョン・ターミナス(32歳) PL:レンジ
どこかターミネーター的な面影を感じる、身長186㎝越えイケメンのグッドルッキングガイ。サイボーグ化手術を経験しており、目から強力なレーザーを撃てる。見た目に似合わず純粋で一本気な青年。

PC2 ライオネル・エインズワース(390歳)
コミケをその誕生以来見守り続ける不死者の元魔術師。HN:七代目コミケの妖精として毎回参戦している神ボランティアスタッフ。コミケの魅力に取り憑かれ、100年ほど前に魔術師としての地位は捨ててしまった。

PC3 エレーナ・ランブラン(?7歳) PL:ぺくちん
巡回士(賞金稼ぎ兼警察官のような職業)としての任務でコミケにやってきた少女(見た目)。しかし吟遊詩人に身をやつした仮面捜査官とは仮の姿、その正体はコミケ参戦者なら誰もが知っている伝説的コスプレアイドル、"永遠の17歳"エレーナちゃんである。
1.オープニング:コミケは踊る
グッドルッキングガイの一員として、仲間とともにカノー姉妹の城で平和に暮らしていたジョン。ある日、彼らグッドルッキングガイの元にカノー姉妹が一人の青年を連れてくる。
「新しいグッドルッキングガイのメンバーよ。みんな仲良くしてね。」
新入りの名前はジャスパー。欠員補充のために新しく採用されたという。彼がやってくるのと前後して、カノー姉妹はコミケに参戦すると言い出した。かさばるのでグッドルッキングガイ達は置いていかれる事になったが、グッドルッキングガイの一人が一月ほど前に殺されたというのに護衛も付けずにコミケに参戦するのは危険ではないか。仲間とともに危機感を抱いたジョンは、カノー姉妹に隠れて単身コミケ開催地を目指すのだった。

一方その頃、エレーナは上司からの呼び出しを受けていた。今回は何の任務だろうと考えながら入室すると、彼女の上司は両手に太めのサイリウムを持ち、涼しい顔でオタ芸を披露しながら迎えてくれた。サイリウムをポケットに入れて真剣な表情になった彼曰く、犯罪組織がコミケの裏で資金調達をしようと暗躍し始めているので調べてこいという。快諾したエレーナはコスプレ枠でのコミケ参加登録を済ませると、地味なフード付きローブを着た吟遊詩人に身をやつして出発した。

また一方その頃、当のコミケ開催地では運営スタッフ達が大騒ぎをしていた。大貴族で大富豪、この地域一帯にその名と美貌が知れ渡る超有名人、カノー姉妹がコミケに参戦するというのだ。万一2人に何かあったら一大事、コミケの存続すら危うくなってしまう。主催者側としても(勝手に)護衛を付けなければという話になったのだが、コミケ運営は人手不足かつ非戦闘要員の集まりだった。
「僕に任せてくれないかな」
そこへ通りかかった仮面の人物、神ボランティアの自称"七代目コミケの妖精さん"(ライオネル)は謎の神がかったカリスマを発揮してその場を収め、押しかけ護衛として運営と街上層部の公認を得たのだった。
「腕に自信とかあるんですか?」
「ないけど何とかするよ」

2.ミドル:コミケの前の静けさ
コミケ開催数日前、単身で街へやってきたジョン、吟遊詩人に身をやつしたエレーナ、押しかけ前の情報収集に出てきたライオネルの3人はとある街角でばったり鉢合わせた。顔見知りのアルカナ持ち同士で再会を喜ぶエレーナとライオネル。対して、見かけないよそ者として2人から怪しまれるジョン。焦ったジョンは、目の前の見るからに怪しい2人組を威圧しようとして失敗してしまう。しかし冷静になって話をしてみると、3人の目的は大体一致しそうなことが判明。手を組むことになった…のだが、挙動不審なよそ者、みすぼらしいフードにマントの女、仮面の男という3人組では情報収集もはかどらない。
「最近怪しい人見ませんでしたか?」
「あんたらがここ最近で一番怪しいよ」
結局、例のグッドルッキングガイ殺人事件には犯罪組織が関わっていること、グッドルッキングガイは超外見重視の選考なので多少身元があやふやなメンバーも混じっていること、ジャスパーはその身元があやふやな1人だということくらいしかわからなかった。

3.クライマックス:そしてコミケの幕が上がる
迎えてしまったコミケ当日、PC達は巡回士2人と協力してカノー姉妹の護衛にあたることになった。運営の予想どおり制御不能な混乱と熱気に満ちた会場、人波に流される人々、飛び交う怒号と売り子の声…それらの中心にはファビュラスなカノー姉妹の姿があった。姉妹を狙う者がいないか人混みの中で目を光らせるPC達。その時、不穏な気配を感じ取ったライオネルが咄嗟に魔術で襲撃者を凍結させようとするが、アルカナの奇跡で無効化されてしまった。ここでカノー姉妹を死なせるわけにはいかないと、こちらも奇跡で対抗するPC達。それを見た襲撃者は奇跡の力で会場から姿を消した。
突然の魔術発動と奇跡の余波で混乱に陥った会場から姉妹を連れて走るPC達。とりあえず姉妹が買い取って滞在しているホテルに向かおうとすると、裏通りでまた銃弾が姉妹の足元をかすめた。ここでもまた襲撃者を取り逃がしてしまう。
そしてどうにかホテルまでたどり着き、玄関の中に入ったその瞬間、襲撃者が発動した奇跡により木造のホテルは屋根から崩れ落ちた。姉妹を庇うPC達。姉妹の無事を確かめてから通りの方を見ると、そこには憎々しげにこちらを睨み、お決まりの文句を吐くジャスパーの姿があった。
「姉妹さえ殺せば組織から金が入るんだ。お前らよくも邪魔してくれたな。」

これまでに他のアルカナ保持者を殺して奪ってきた力を解放し襲いかかってくるジャスパー。PC達も奇跡を交えつつ必死に迎え撃つが、ライオネルとエレーナが倒されジョンとジャスパーの一騎打ちになってしまう。お互い満身創痍、一度でも攻撃が当たれば倒れてしまう中での純粋な出目勝負を制したのはジョンだった。断末魔を上げながら奪ってきたアルカナを放出するジャスパー。こうして街の平和と姉妹の命は守られたのだった。

ジャスパーの死を見届けたライオネルはいつもの仮面を被り会場へ走る。会場ではコミケ中止が告知され、運営スタッフが暴動一歩手前の来場者達をどうにか宥めようとしていた。飛び交う怒号と罵声、全く関係ない「新刊落としました!」の叫び…ライオネルは咄嗟にコスプレアイドル・エレーナちゃんのお詫びライブ開催を宣言し、それに応えたエレーナが群衆の前で後日ライブをすると告知したことで事態はようやく終息した。

4.エンディング:コミケは終わらない
コミケの騒動の数日後。ジョンの生活には平和が戻ってきた。いつものように眼下の街を眺めたりぼんやりしたりしながら穏やかな休憩時間を満喫していたジョンの部屋に、窓からライオネルが現れる。彼は驚き不審者扱いするジョンにエレーナのお詫びライブのチラシを渡し、姉妹にも勧めてくれと言い残して去っていった。少し迷ったジョンだったが、姉妹に見せてみると行ってみたいと笑って言った。
ライブ当日、会場にはコミケの参加者、そしてエレーナのファンが詰めかけていた。巡回士としての任務を終え、休暇をもらえたエレーナ本人もステージの上でライブを心から楽しんでいる。そして客席には、ステージ上のスーパーアイドルに負けず劣らず周囲の視線を集めるカノー姉妹、そしていつものイケメンポーズで姉妹を囲むグッドルッキングガイ達の姿もあった。歌い踊るエレーナ、そして熱気に満ちた客席を見て、ジョンは「こういうのもいいかもしれない」と微笑む。そんな彼を見て、ライオネルはコミケを愛する人間が増えたと密かに喜んでいた。
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