大学教授は生きているか

システム:インセイン GM:どるふ

10/7、OF2日目1部に行われたセッションのレポートです。

●NPC紹介
寺沼 久雄(てらぬま ひさお) 男・59
顎田大学の教授であり、再生医学会の権威。12日に自分の研究室で研究員と話をして以来行方不明に。

丹野 洋一(たんの よういち) 男・20代後半
寺沼研の研究員。12日に寺沼久雄と最後に会話した人物。

●PC紹介
PC1:寺沼 蘭(てらぬま らん) 女・14 PL:lilac
寺沼久雄の孫でJC。幼い頃両親を事故で失い自身も視力を失った。今は寺沼久雄と二人暮らし。11日の夜に泥酔して帰宅した久雄と口論になって以来彼と会っていない。

PC2:黒井 光輝(くろい こうき) 男・19 PL:モノ
世話焼き大学生。寺沼蘭の友人であり、何かと世話を焼いている。暗所恐怖症。寺沼教授の講義を受けている。

PC3:根津 幸男(ねず さちお) 男・56 PL:ヤマダ
赤ら顔で恰幅の良い大学教授。専門はドイツ史。寺沼とはよく酒を飲みに行く仲。

PC4:安藤 真里(あんどう まり) 女・27 PL:ゆったん@
医療関係を中心に取材をしている記者。活発で行動力のある女性であり、取材のために他人を巻き込むことも辞さない。
●PCの秘密
PC1:寺沼 蘭
11日の夜に、泥酔した寺沼久雄を殺害してしまった。その場に居合わせた黒井とともに証拠隠滅を行ったが、12日に寺沼久雄が生きていたという。そのため疑心暗鬼状態。
PC2:黒井 光輝
11日の夜、寺沼久雄に本当にとどめを刺したのは蘭ではなく自分である。寺沼久雄の死体は車で黒神山に運んで埋めた。
PC3:根津 幸男
12日の夜に寺沼久雄を自宅に泊めたが、自分が彼に借りている金のことで口論になり寺沼久雄を殺害してしまった。しばらく後に死体は消えていた。
PC4:安藤 真里
日本医類研という闇の組織を追っている。寺沼久雄はどうやらその組織に接触していたようだ。


ある月の13日に寺沼久雄の取材をしに大学へ来た安藤は、12日以来寺沼久雄が行方不明であることを知る。安藤は翌日再度訪問するが寺沼久雄は行方知れずのままであり、大学で出会った黒井と根津、寺沼久雄の孫の蘭とともに寺沼久雄の行方を捜すこととなる。

15日には、蘭と黒井は寺沼宅で会話をして感情を深めつつ家を捜索して寺沼久雄の日記を発見。一方で根津と安藤はカフェで話をしながら寺沼久雄と最後に会った丹野とコンタクトを取り、寺沼久雄の失踪当日の話を聞く。丹野の厚意により翌日に研究室の調査を行えることになった。

16日の朝、寺沼宅に集まったPC達のもとに婦警が訪ねてくる。捜索届を出すときにすでに話したはずの寺沼久雄の情報を聞いてくる婦警を疑ったPC達は彼女を問いただす。すると、婦警は寺沼久雄が13日未明に起きた殺人事件の重要参考人として追われていることを明かすのだった。

衝撃の事実を知り混乱するPC達だが、ひとまず予定通り寺沼久雄の研究室の調査に赴く。研究室の寺沼久雄のデスクからは内野医院という病院への通院記録が見つかった。寺沼久雄が失踪前日の11日にここを訪れていたことを知ったPC達は内野医院へ向かう。その道中の車内にて、黒井は蘭に、隠していた自分の秘密を告白する。蘭は黒井が真実を告げてくれたことに感謝の意を示した。

内野医院は休業中のようだった。それを怪しく思ったPC達は物陰から屋内に潜入し調査したところ、病院という姿はダミーであり実際は何らかの研究室として使われているようだということが分かった。もう日も遅いためこれ以上の調査は明日に回すこととなり帰路につくPC達だが、そんな中黒井は今朝のことを回想していた。今朝一人で黒神山に訪れたところ、寺沼久雄の死体を埋めた穴が内側から掘り返されていたのだ。

17日の朝もPC達は寺沼宅に集まるが、PC達のもとに婦警から連絡が入ってくる。彼女から伝えられたのは、寺沼久雄らしき人物が別々の3か所でほぼ同時刻に目撃されたという衝撃的な情報であった。それを聞いたPC達は目撃場所の1つである黒神山の麓に向かう。そこには寺沼久雄の姿をした理性のない化け物がいた。慄くPC達だが何とか化け物の撃退に成功。一同は再び内野医院に向かう。

安藤は内野医院の研究室を調べるが、不気味に蠢く小動物を目にしてすぐに研究室の扉を閉めてしまう。その後黒井以外の3人は薬品庫を調べて隠し通路を発見する。暗い通路の奥にあった小部屋の中には焼死体が倒れていた。3人が部屋に入ると焼死体が動き出して襲い掛かってきたが、蘭の悲鳴を聞いて駆け付けた黒井の援護もあり動く焼死体を完全に倒すことができた。小部屋の金庫に残された寺沼久雄の研究日誌から、寺沼久雄は日本医類研という組織の協力を受けて死から蘇る薬を開発していたことが判明した。その薬の効果は服用した生物が死亡した際に死亡した肉体から脱皮する形で蘇生するというものなのだが、蘇生ののちに残った死体の抜け殻までも化け物となって蘇生してしまうという副作用がついてしまったのだという。また、11日の記述を読むと、その日寺沼久雄は誤ってその薬を接種してしまい、自分の肉体を蘇生させずに死ぬために焼身自殺を図ったことが書かれていた。もっとも、焼死体が襲ってきたことからして寺沼久雄の肉体は結局蘇生してしまったようだ。

蘇生薬、そして蘇生によって生み出される化け物の存在を知ったPC達は、殺人事件を起こした寺沼久雄、黒神山で襲ってきた寺沼久雄が寺沼久雄本人でなく蘇生後の抜け殻に過ぎなかったのだと確信する。そして、化け物の目撃情報に惑わされず寺沼久雄本人の目撃情報がどれなのかを特定し、寺沼の居場所らしきビルを突き止めることに成功した。

18日早朝、PC達はビルに突入する。外から隠されていたビルの5階は日本医類研の研究所となっていた。モニター室に詰めていた研究員たちを気絶させてパソコンの記録を調べると、13日にこのビルを訪れた寺沼は捕らえられてずっとここで蘇生の実験台となっていたことが判明。今も寺沼は奥の実験室で連続蘇生実験という名のもとで何度も何度も殺されているのだという。実験記録によると、死亡・蘇生前後の記憶は失われるらしく、また死亡から蘇生までの時間は短くなる一方のようだ。そうやってPC達がパソコンを調べていると、研究所の奥から何かが叩きつけられるような異音が聞こえ、次の瞬間大量の化け物と体がいびつに膨らみ正気を失って暴走した寺沼が部屋になだれ込んでくる。連続蘇生実験中に増えに増えた化け物たちが暴走したのだ。あまりの数の多さに万事休すかと思われたが、安藤が内野医院の実験室で目撃した小動物の中に水に漬かって異様に膨らみ動けなくなっていた個体がいたことから化け物は水が弱点なのではないかと思い至り、PC達は化け物の間をかいくぐりながらビルのスプリンクラーを作動させ、化け物の無力化に成功した。

身動きができなくなって正気を取り戻した寺沼久雄は自分の作ってしまった薬によってこのような事態を起こしてしまったことを詫び、PC達に蘇生が起きないよう自分の肉体を完全に燃やし尽くしてほしいと頼む。祖父との別れが耐え難い蘭はそれを拒むが、最終的には寺沼久雄に諭され肉体の焼却に頷いた。寺沼久雄は最後に黒井へと蘭をよろしく頼むと告げ、PC達によりビルに設置されていた死体処理用の焼却炉で他の化け物とともに投げ込まれ、その肉体は今度こそ完全に消滅したのだった。

寺沼久雄が灰となっていく様を見届けるさなか、蘭と黒井は、寺沼久雄を2度殺してしまった罪をどちらか一方だけが背負うのでなく二人で分かち合って生きていくことを誓う。数日後にはビルに研究所があった痕跡はきれいさっぱり消えていたが、安藤はビルから持ち帰った情報を警察にリークし、日本医類研の資金源の大部分を断つことに成功した。根津はちゃっかり以前通りの生活に戻ろうとするが、寺沼久雄への借金のことを掴んでいた安藤にたしなめられ、償いとして蘭と黒井の面倒をたまに見ることとなった。
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