雪祭りの災厄

システム:ログ・ホライズンTRPG GM:ベーコン #LHTRPG
12/7に行われたセッションのレポートです。

【キャラクター紹介】
PC1:リコッタ/法儀族・女・召喚術師・学者 PL:みそかつ
ゲーム廃人。ゲームは1日18時間がモットー。この世界に転移して、24時間遊べてラッキーだと思っている。ゲーム時代は攻略サイトの編集に関わるほどのやり込み勢。今でも情報収集は欠かさない。
PC2:マリア/猫人族・女・暗殺者・シスター PL:金目鯛の煮付け
ヴァンパイアハンター的なかっこいいキャラを目指して作ったが、シスターのスキル「神託」のガチャを引くのが楽しくなってしまった。ロールプレイ勢。ギルドマスター。
PC3:フラメ/ドワーフ・女・施療神官・料理人 PL:にかわ
大盾と重装鎧のチビッ子。のんびりした性格。リアルとの身長差になかなか慣れず、よくすっ転んでいる。プレイスタイルはこつこつ勢。
PC4:エルフスキー/エルフ・男・武士・薬師 PL:怪竜
エルフが好き。エルフになれて喜んでいる。最初は女性キャラを作ったが、エルフ女性とお近づきになれると気付いて男に戻った。
【オープニング】
〈大災害〉から半年以上が経ち、〈セルデシア〉は冬を迎えていた。PCたちのギルド〈スティールローズ〉のもとに〈円卓会議〉から依頼が来る。〈クーシュー街道〉を通って〈シナノ地方〉へ向かう商人を護衛せよとのこと。遠征軍やら何やらで〈円卓会議〉はずいぶんと人手不足。〈大地人〉からの依頼をこなすためにアキバのギルドは忙しなく働いていた。
〈クーシュー街道〉は現実世界の甲州街道にあたる街道で、特に強大なエネミーが出るというわけではない。アキバを離れて約十日、一行は何事もなく進んでいた。そして目的地の〈ハーラ村〉が見えてきた頃、商人が「山の斜面を下ってくる不自然な吹雪の塊」に気が付いた。商人たちを先に行かせ、馬車よりもずっと速いスピードでまっすぐこちらに向かってくるそれを食い止めようとするが、ろくな準備をする暇もなく猛烈な吹雪に潰されて全滅してしまった。エネミーのステータスと女性のようなシルエットが、荒れ狂う雪の中で確認できた最後のものだった。

【ミドル】
 一行は〈ハーラ村〉の小神殿で蘇り、目を覚ました。この世界に来る前のことを夢に見たように思ったが、その感覚は急速に薄れていく。
 先程襲ってきたエネミー「白姫のヘイグロト」を見て、リコッタはすこし思い当たる節があった。ステータスに記された〈典災〉 (ジーニアス)という文字――〈大災害〉とともに解禁された拡張パック〈ノウアスフィアの開墾〉でそのような伝承が語られていたような記憶があったのだ。エルフスキーが「でもかわいかったからよかった」などと寝ぼけたような発言を繰り出している横でリコッタたちは考え込んでいた。しかしなんにせよ今は疲れ切ってくたくただし、ここで話していてもしょうがないということで村の方へ向かうことになった。
 起き上がって神殿を出ると、先程別れた商人が向こうから向かってきた。周囲は穏やかで、吹雪は跡形もなく消え失せているが、大量の雪と折れた樹木が確かな証拠として残っていた。

〈ハーラ村〉は寒冷な気候で、農業を主体とした村である。交通の要所であり、山岳地帯へ挑む際の拠点でもあったが〈大災害〉後は訪れる冒険者も減り、冒険者の手を借りたい村人は多いようだった。ちょうど〈スノウフェル〉と呼ばれる雪祭りの準備で大忙しなのだ。
 しかし今は疲労を取るのが最優先。ということで一行は護衛の報酬をもらって一晩休むことにした。

 翌朝、冒険者が来たという話を聞きつけて数人の村人がやってきた。
 怪我をした料理人の代わりに、雪祭りに欠かせない〈スノウフェル・チキン〉を焼いてほしいと頼む者、仕事を手伝ってくれたら協力してやらんこともないというドワーフの鍛冶屋、竜巻でボロボロになってしまった温泉のがれき除去、それに昨日の商人の荷物整理。
 料理人のフラメは適任とばかりに慣れた手つきでぽんぽんと大量のチキンを焼いていく。ドワーフなだけあって小柄ではあるがそれを感じさせない動きだ。その間にリコッタは荷物整理を手伝って〈付呪の巻物〉を報酬としてもらった。鍛冶屋の方も何とかこなせ、マリアの武器に[火炎]属性をつけてもらうことに。リコッタが召喚した妖精ブラウニーのおかげで大した疲労も受けずに済んだ。
 そして残りの時間で温泉の掃除。マリアやフラメが活躍してすっかりきれいになった。せっかくなのでみんなで温泉に入ることに。和気あいあいとした女三人衆と、からかわれつつも意外と紳士な一面を見せるエルフスキーなのであった。

 日が暮れて、〈スノウフェル〉の宴は準備万端といったふう。商人と冒険者たちは村長の家に招かれていた。飲めや歌えの宴会は、昼間の疲れなんて吹っ飛ばすような盛大さだった。やがて少し落ち着いて、昔話や楽器の演奏に耳を傾けていた頃、「へっくしっ」と家の外からくしゃみの音。見に行くと半袖短パンの少年がくしゃみを連発しながら歩いている。マリアやフラメは心配に思ったが、話を聞いてみると〈スノウフェル〉の夜に薄着で贈り物を届けに行くという風習があるらしい。
 少年は誇らしげに笑う。ところがそのとき、どすんどすんと地響きがして闇の中から白い巨体が姿を現した! その「雪だるま」たちは敵意を持ってこちらに向かってきたのだった。
 四人は急いで少年を守るように陣形を広げて、雪人形(スノウマン)たちに立ち向かった。マリアの武器やリコッタの魔法に貫かれた雪だるまたちは飛び散るように霧散していく。危なげない戦いではあったが、安全なはずの村にエネミーがでたということは小さくない衝撃としてパーティに受け止められた。

【クライマックス】
 次の日、一行は万全の準備をして〈白姫のヘイグロト〉へと挑むことにした。分けてもらった〈スノウフェル・チキン〉のおかげで[冷気]属性の攻撃は軽減できる。各々が思い思いの準備をして村を出た。程なくして迫ってきた〈ヘイグロト〉に対し、四人は吹雪の中でも安定した連携を発揮した。安定したヘイト管理のエルフスキー、パーティ随一の物理防御力を誇るフラメ、周囲の雪人形をあっさりと仕留めていくマリア、そして後方からサラマンダーの炎を飛ばすリコッタ。マリアが全力の一撃を〈ヘイグロト〉に叩き込み、最後はエルフスキーが鮮やかな手腕で一刀両断してみせた。
〈ヘイグロト〉が倒れると、吹雪は嘘のように止んだ。

【エンディング】
 一行は〈クーシュー街道〉を進んでいく。彼らがアキバに、そして〈円卓会議〉に持ち帰る〈典災〉 (ジーニアス)の情報がやがてこの世界を大きく揺るがす一端となることなど知るよしもない。ただ今は冷たく穏やかな冬の風の中、一行は帰路についたのであった。
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