鬼になった桃太郎

ソード・ワールド GM:スルメイカ

RPG技術向上期間、虎の穴。
その一環として、一回生だけを集めたセッションが開催された。GMの立てていた目標は「PLに頼らずにセッションを進める。」
何事もなく終わるのか?もちろん、そんなことは無かった!
舞台は昔の日本。桃太郎の財宝伝説が残る村で、4人の若者が成人の儀式として鬼が島まで行く。そうしたら本当に鬼が現れて…。というシナリオ。
鬼は悪事を働いているが、同情すべき点もあるよ。桃太郎は略奪者でもあったよ。という感じ。

村の少子化&衰退っぷりに驚愕したり。ダイス目がひどく、軽い戦闘で大苦戦したり。時間短縮のために、用意されていたイベントをかなりすっ飛ばしたり。そんな平和なセッションだった。

しかし、事件は起こった。
鬼が周囲から財宝を略奪し、それをため込んでいると知り、PC1は言った。
「鬼を殺して、宝を村に持って帰ろう(要約)。」
もめる。びっくりするほどもめる。

PL1:「ちょっと刺激が欲しかったんです。
この展開だと、PC間の思想対立がやりやすそうだな。みんな鬼に同情的だし、僕のPC村想いだし、ちょっと対立して盛り上げることに挑戦してみよう。どうせ同回生だし。と思っていました。この時は。」

略奪された場所に返して回ろうという他PC。それではお前が鬼ではないか。という。

PL2:「こいつの考えを変えたい!」

しかしPC1は、思想を変えない。口論は続く。
PC1:「こいつらは悪だ。殺してもいい。俺が鬼というならそれでいい。だから、宝をガメよう。」

PL1:「その説得だとこいつは考えを変えないな。しかし…楽しい。」
PL3:「こいつはクソキャラだ。まったくどうしてくれる。俺がクソキャラを(彼の虎の穴を通しての目標)出来ないじゃないか。なんで真面目に説得しなきゃなんないんだ。」

いつまでもPC1は意見を変えず、他のPCたちは、パーティーアタックを警戒し始めた。しかし、PC構成的に、彼は唯一のファイターにしてプリースト。欠ければシナリオクリアは危うい。排除するにはリスクが大きすぎる。

GM:「俺あの時すっげえ楽しかった!」

それでも、PC2はPC1の排除を主張し始める。奇しくも、彼らは特に仲の良い幼馴染だった。しかも男女。

PL1:「ボクと刷り合わせして、幼馴染になってよ!」

PL2:「少子化って言うから、私たちが頑張らないとね、とか言おうとしてたのに。」
PL1:「そしたら僕は喜んだと思うよ。」

そして、PL2がPL1に聞く。
「記憶を失うのと死ぬのとどっちがいい。」
「そりゃあ、記憶の方かな。」
「それはやめろよ!」

PL2:「自分がニヤニヤしながら、楽しそうにクソな事を言っているのを見て腹が立った。」
PL4:「PL1もPL2も空気読めよ。」

いつまでも終わらない水掛け論に、GMは助け舟を出す。
「とりあえず、鬼を倒す事は共通してるんだよね。話は鬼を倒してからにしたら?」

GM:「こいつら馬鹿だなー。まだ倒してもいないのに。と思って見てたよ。」
PL4:「ですよねー。皮算用ですね。」

そして、いろいろあって最終戦闘に入る。とりあえず議論は棚上げ。PC1は、一人で前衛に立ち自分ごとスリープクラウドを撃つ事を許可。
PC1「信じてもらえるかは分からないが、僕は君たちを殺してまで宝を奪う気はない。」
戦闘は、それなりに有利に進む。
PL2「これだけのMPを残しとけば、裏切っても倒せるな。」

結局、スリープクラウドで敵もろともぐっすり。鬼にはさっくりとどめ。PC1の処分会議。あと、記憶消去の魔法は使えなかった。

PL1:「彼の無防備な寝顔を見て、君の脳裏には、楽しかった子供時代の記憶がよみがえる。そう、あの時…」
PL2:「もう黙っててくれ!」

結局、メイスを奪うことになり、その上、PC2はサイレンスをかけ、黙らせる。

PL2:「これ以上喋られると、殺したくなりそうだから。お願いだから黙っててくれ。」

結局、宝は返され、一部をお礼にもらい、PC1はふてくされて、必要最低限の事と皮肉しか言わなくなる。村では桃太郎の再来として、英雄扱いを受ける。

臨時収入により村は一時的に建て直したが、友情は永遠に失われたのであった。
PL1こと私:「桃太郎も、犬、猿、雉とは喧嘩別れだったのだろうか…。」

※PLの発言は、色々な時に聞いた発言を、あいまいな記憶と文章構成の都合によって、適当に書いて適当な場所に放り込んだものです。ご了承ください。
セッションレポート > ソード・ワールド | comments (1)

Comments

キノ | 2011/03/18 00:19
PL1はずっと岩手さんだという思い込みで読んでいてすみませんでした。

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