終わらない十月

システム:クトゥルフの呼び声 GM:ぼんた

 PC達は洛北大学クレー射撃部に所属する大学生。
 夏休みも終わり後期の授業が始まってしばらくのころ部長から頼みごとをされる。
「会計が部費を持って実家に帰ったまま帰ってこない。このままでは部が立ち行かなくなってしまう。どうにか会計を連れ戻してくれ」
 会計を連れ戻すために彼の実家に向かうPC達。
 しかし、彼の実家はバスが一日に一本しか通らない弩田舎にあったのだ。
 バスから降りて二時間ほど深い霧の中を歩くと、会計の実家のある村に着いた。
 村の中央部には円筒状の木造の建物がある。村人の話によると、それは10月の終わりにある祭りに使う建物であり、会計もその建物に住んでいるらしい。

 中を見せてもらうと、建物の中には人が一人入れるくらいの箱が10個ほどと、地下に続く階段がある。
 箱には悪霊が封じられていて、祭りの日に払うのだと言う。
 箱のいくつかからは何かが居るような気配があり、戦慄するPC達であった。

 会計はすぐに帰る事はできないそうで、この村に泊まるために宿を探そうとすると、何やら村人ともめている男女がいる。
 どうやら村から帰ろうとしているカップルを村人が引き止めているらしい。
 二人に話を聞いてみると、観光でこの村に来て、帰ろうとすると村人が二人を引き止めるのだと言う。

 そのまま会話をしていると、微妙なすれ違いがある。
 二人はPC達にとって未来の人間であるといい、PC達の知らない高度な機械を持っていた。

 どういうことかと村人を問い詰めると、実はこの村は時空がゆがんでいて、10月を延々と繰り返し、様々な年代の10月から人を集めているらしい。

 村は一人の司教と数人の司祭が支配していて、村に長く居ると、いずれ化け物に変貌してしまうのだそうだ。
 村から脱出しようとしても、霧の中にも巨大な化け物が居て、襲われてしまうらしい。

 これからどうするかPC達が話し合っていると、先ほどのカップルが村から出て行こうとしているのが見える。
 様子を見ていると、森の中から叫び声がし、血まみれになった女が森から逃げてくる。男のほうは霧の中で化け物に殺されてしまったらしい。

 女は半狂乱になっていたが、村人たちに連れて行かれてしまう。
 先ほどの情報を教えてくれた村人に話を聞くと、円筒状の建物にあった箱の中身の悪霊とは、逃げ出そうとした人間であるのだとか。

 PC達は、もうこの村から脱出するには武力しかないと、クレー射撃の練習用にもって来ていたショットガンを取り出し、村人の何人かを味方につけ、司教たちを襲撃することにした。

 ショットガンで鍵を壊し、悪霊としてとらわれていた人を救出し、建物に火を放つPC達。
 すると中から脱出してくる人物が居た。
 その人物に対して臨戦態勢のPCたち、しかし、その人物はこちらを知っている様子だった。

 話を聞くと、その人物は失踪していた会計だった。
 曰く、この村で長く過ごし、化け物になっても自我を完全に保っていたものが司祭になるのだという。

 会計の話によると、司教は人間ではないらしく、おそらくこの炎の中でも死んではいないだろうとのことだった。
 脱出する方法はないかを聞いてみたところ、司教だけが立ち入れる資料室の中に何か手がかりがあるかもしれないとのことだった。

 火が消えてから資料室を探すPC達。幸いにも資料室の扉は金属製で、いくつかの資料が燃え残っていた。
 資料によるとこの村はニョグタと呼ばれる神に生贄をささげるためにそのニョグタの息子、司教が作った村だという。
 その息子は時空移動の術を持っているらしく、それを倒して聞きだそうということにした。

 さらに地下に進むと、祭具を用意していた司教に出会う。
 ショットガンで戦うも、効果が薄く、急遽、祭具を傷つけられたくなければ、ということで交渉することに。

 時空移動の術を教えるように要求したが、時空をつなぐ門を開くだけしかできないといわれる。

 仕方なく村人たちには資料室で知った帰ることができるかもしれない方法を書いたメモを渡し、自分たちだけ変えるのであった。

 そして、時空をつなぐ門をくぐり、幸運ロールに失敗した一名を除き、現代日本に帰ってこれたのだった。

 そして時は流れ26年後、最後の一人も村から帰還し、4人で同窓会を開くのであった。
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