最高の辛さを求めて

システム:ウォーハンマー GM:マソバソアソ

7/28の1部に行われたセッションのレポートです。


無類の辛い物好きで知られる国王カレーノ=カラシニコフ三世からお触れが出た。
「東方のコリア村という村には、キムチと呼ばれる最高に辛くて美味なる食材があるという。その地へ赴き、余を満足させる最高のキムチを持ってきたものには金貨1000枚を与える」と。
まさに世はキムチラッシュ。PC達も最高の辛さを求めて東方へと赴くこととなった。

PC紹介
PC1:エドガー 男/ハーフリング/無法者 PL:みかん箱
さらわれて無法者の一団に無理やり引き入れられた元料理人。今回の褒賞で自分の店を開き、料理人に復帰することを目指している。

PC2:ギリー 男/人間/賞金稼ぎ PL:ににに
かつて領主の息子を殺してしまったことから、殺人に目覚めたシリアルキラー。金に目がくらんでキムチを取りに行くことに。

PC3:エギル 男/ドワーフ/警備兵 PL:みそかつ
酒好きがたたっていつも金欠の警備兵。腕に自信はあるが、背が低いことを気にしている。

PC4:ウルリアナ 女/エルフ/狩人 PL:mouser
幼いころから森で暮らしてきた痩身の狩人。エドガーとは旧知の仲で、今回道中の護衛をすることになった。

PC5:ロゾンブロ 男/人間/海兵 PL:ふぇる
いつも本当か嘘かわからない大ぼらを吹いている船乗り。コリア村の近くに行ったことがあると適当なことを言ったため、道案内をすることになった。
カラシニコフ王国の酒場でお触れを聞いたPC達。金貨1000枚という破格の褒賞を聞いて、多くの者が東へと出発し始める中、PC達もコリア村へ向かうこととなった。出発する前にキムチについて調べると、ザワークラウトのような野菜の漬物だという。

道中ロゾンブロが「村には美しい姫がいる」などとほらを吹きながら1週間ほど東へ向かうと、コリア村が見えてきた。村は明らかにキムチ狙いだと思われるよそ者でごった返していた。とりあえず酒場に入ると、ソジュと呼ばれる蒸留酒と共に、赤い野菜の漬物が出される。これがキムチで、白菜という野菜を唐辛子で漬けたものらしい。食べてみると確かにとても辛く、エギルとロゾンブロはおなかが痛くなってしまった。

酒場の店員に村長の家を教えてもらい、向かうとまたキムチ目当ての冒険者かと怪訝な顔をされる。エドガーが、自分たちは金のためではなく、料理人として最高のキムチを求めに来たんだと力説すると、感心した村長から、村のキムチづくり職人を何人か教えてもらった。しかし、すでに他の冒険者に雇われてしまっているかもしれないという。また、今は引退したが、かつては村一番のキムチづくり名人だったというハリムばあさんという人物も教えてもらった。

村長に聞いた今の村一番のキムチづくり職人のところに行くと、冒険者らしき一団が出てきて、リーダー格のドワーフの男に「この職人は俺たちが先に頼んだんだ。帰りな」と追い出されてしまう。他の冒険者から話を聞くと、あいつはネスターとというガラの悪い冒険者で、汚いことでも平気でやるやつらしい。あの職人も、先に頼んだ奴らを金と暴力で脅して無理やり奪ったという。

反感を覚えながら他の職人のもとを回っていると、路地裏から汚らしい身なりの老婆に話しかけられる。話を聞くと、彼女は村長が言っていたハリムその人で、村長から話を聞いてPC達に会いに来たという。するとハリムは、食べてみろと壺に入った少量のキムチを差し出す。食べてみると、感動する辛さとうまさで、これなら国王も満足するかもしれないとPC達は感じた。ハリム曰く、自分は歳のせいでこのキムチの材料を集められなくなってしまった、PC達が材料集めを手伝ってくれるなら、このキムチの作り方を教えてやる、と。他に当てもないPC達は、これを引き受けることにした。

ハリムに言われた材料は白菜、唐辛子、魚、ニンニクの4つ。それぞれこだわりの場所でとれるらしい。白菜は村はずれの農家で育てているものが一番だというので、買いに行くと、例のネスター一味と鉢合わせる。妨害のためか、全ての白菜を買い占めようとするネスターに対して反発すると、互いに1対1の素手戦闘をして買った方が白菜を買うことになった。殴り合いの結果、相手の代表に背の低さを馬鹿にされたエギルが怒りのパワーで相手を粉砕し、PC達は無事に白菜を手に入れることができた。一旦ハリムの家に帰ったPC達は、ネスター一味の妨害に備えて白菜を地下倉庫に隠しつつ、エドガーはハリムから村の伝統料理キムチチゲの作り方を習った。

翌日、唐辛子を採りに近くの山に向かうと、崖の上に生えているのを見つける。しかし、またネスター一味がやって来て先に崖を上り始めた。崖登り勝負では勝てないと踏んだPC達は、崖の下から唐辛子を射落とすことに。エドガーとウルリアナの一撃で見事唐辛子を手に入れることができた。先を越されたネスター一味は、悔しがりながら山の奥の方へ向かっていった。その方向が、今から行こうとしていた魚の棲む洞窟の方向と同じことに気付いたPC達は、先回りして洞窟に入ることに。

ウルリアナの案内で先に到着できたPC達は、虎ばさみなどの罠を仕掛けてネスター一味を妨害しつつ、洞窟の中へ向かった。洞窟を進むと、泉のそばに人が血まみれで倒れいているのを見つける。近づいてみると、それは血まみれではなく、体中の穴と言う穴からキムチがあふれてキムチまみれで死んでいることが分かった。謎の死体に困惑するPC達。死体のそばにはハリムに、かつて実験として洞窟の奥で漬けたキムチが残っているかもしれないから回収してきてくれと言われた壺が転がっていた。中身を確認すると、空だった。不思議に思いながらも、泉で魚を採り帰ろうとすると、洞窟の支道から人間サイズのネズミの化け物が現れ、PC達に襲い掛かってきた。不意打ちを受けるも、なんとかこれを撃退した。

翌日、ニンニクを採りに近くの寺院へ向かう。ニンニクなのに寺院? と不思議に思うPC達だったが、ハリムの名前を出せばくれるという。寺院の外の墓地で作業をしていた司祭に話を聞くと、自分は新人なのでハリムはよく知らないが、ニンニクなら魔除けのお守りに使われているのでそれだろうと、干しニンニクを渡してくれた。すべての材料を手に入れたPC達がハリムの家に戻ると、ハリムはおらず家が荒らされており、材料もすべてなくなっている。これはネスター一味の仕業かもしれないと、ネスター一味が泊まっている宿に向かうと、案の定もぬけの殻。近くにあった馬車の車輪の跡を追うと、山の方へ向かっている。村で馬車を借りて、追跡することにした。

跡を追っていくと、山中の山小屋にたどり着く。小屋の外には馬車が停まっており、ここにいることは間違いなさそうだ。踏み込むと、ハリムがいて、大きな鉈で何かを叩き切っている。ゴロリと転がったそれは、なんとネスターの死体であった。これはどういうことかと聞くと、「こいつらのおかげでニンニクをとる手間が省けたわい。これが最高のキムチに欠かせない材料、ニンニク、人肉じゃよ」と。さらに奥の部屋からネスター一味の一人が飛び出してきたかと思うと、赤色の塊につかまってしまう。塊はキムチの塊が動いているかのようで、つかまった男は全身がだんだんと溶けてキムチ化し、穴と言う穴からキムチを噴き出して最後には完全にキムチになってしまった。洞窟で見た死体と同じだ! なんとあの死体はキムチを詰められて死んだのではなく、体内がキムチになって死んでしまったのだ。ハリムは人肉を使ってキムチモンスターを作り出す混沌の魔術師だった! ハリムは「お前たちも最高のキムチになるのじゃ」とキムチモンスターと共に襲い掛かってきた。ネスターの死体と他の材料を使ってキムチモンスターを錬成してくるハリムとキムチモンスターの前に、ギリーがキムチモンスターに取り込まれてしまうなどあったものの、ギリギリのところで倒すことに成功した。後にはあの最高に辛くておいしい、おぞましいキムチが大量に残されたのだった。

大量のキムチを回収したPC達は小屋を焼き払い、ハリムの家に戻った。ハリムの家を捜索すると、あのキムチの作り方が描かれた魔導書が見つかる。二度とあのキムチが作られないよう、魔導書は燃やすことにした。村を後にしたPC達は、カラシニコフ王国に戻り、国王にキムチを献上することに。エドガーが人肉キムチをキムチチゲの形で国王にふるまうと、国王は涙を流すほど味に感動した。見事最高のキムチを持ってきたと認められたPC達は褒賞の金貨1000枚と、残りのキムチを売った分の金貨1000枚を手に入れる。エドガーは、味に感動した国王に専属の料理人にならないか打診されるが、自分の店を開くために断った。PC達は、「おい、このキムチ今動かなかったか?」というキムチを運ぶ兵士の声を聞きながら、エドガーの店を開く新たな街を目指してカラシニコフ王国を出発するのだった。



ニンニクとキムチモンスターが出したかっただけのネタシナリオです。
なお、GMはキムチに何の恨みも持っていません。
ウォーハンマーはいつもこんなシナリオばかりじゃありません。本当ですよ?
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