月を目指していたのだけれども

キャッスルファルケンシュタイン (GM:K)

 キャッスルファルケンシュタインは、魔法の存在する近代ヨーロッパ風の世界で冒険するスチームパンクRPG。

 PC達はあるイギリス貴族の家に集まる友人同士。PCの一人である魔法使いの師匠からの命で、月を目指すことになる。蒸気機関が以上発達したこの世界では、折りしも英仏間で月到達競争が行われており、反重力エネルギー「ケイバーライト」を用いて月に到達しようと試みているケイバー博士を訪ねることに。

 ちなみに、フランスでは科学長官であるジューヌ・ベルヌが開発した、「ベルヌ砲」と呼ばれる超巨大砲台で弾丸に詰め込んだ人間を月まで飛ばそうとしていた
 国家規模のプロジェクトに絡む話ということで、人間を5秒ぐらいで殺せる吸血鬼の行動やら、大きな声ではいえない趣味を持っている、貴族PCが脅迫されたりやら妨害を受けるPC達。いろいろと苦労しながらも、月へのコンパス代わりになる物品、月の石をロンドン地下に存在していた妖精の宝物庫で発見する。

 それに手を伸ばし、手中に収めた瞬間、周囲の風景がゆがみ、耳障りで風変わりな音が空間に鳴り響く。動揺するPC達の前に、見たこともない、制服らしきものを着た男達が現れる。
「スコットランドヤードの方ですか?こんな地下までどうしたのです?」
「地下?何を言ってるんだ。ここは大英博物館だ」

 かみ合わない会話に首をかしげながら話を聞いてみると、なんと現在は2008年だという。PC達はタイムトリップしていたのだ。(その後の情報から、正確にはよく似た平行世界への移動であった)

 普通ならうろたえるこの事態。しかし、もともと月まで言ってやろうと思っていたPC達は、それよりも到達が難しいだろう世界にやってきたことに大興奮。特に、女探検家や芸術家肌の役者は大喜びで観光を開始。

 その後、無事もとの世界に戻れたのだが、もはやPC達にとって月を目指すことはおまけのようなものとなっていた。
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